第二次大戦序盤の1940年5月、破竹の勢いでフランス国内に侵攻してきたドイツ軍の前に立ち塞がったのがフランスのB1 bis戦車です。第一次大戦後から開発が進められてきたB1戦車の改良型で、1937年から生産を開始。リベット接合の車体の右前部に短砲身75mm榴弾砲、小型の砲塔に長砲身47mm戦車砲を装備した強火力に加え、最大60mmという当時としては破格の重装甲を誇っていました。B1 bisは大戦初期のドイツ主力対戦車砲であった37mm対戦車砲の攻撃を寄せ付けず、ドイツ軍をパニックに陥れたのです。また、フランス北東部のストンヌ村の戦いでは、2個中隊のB1 bisがドイツ戦車部隊を相手に奮戦。多数の被弾をものともせず、10数輌ものドイツ戦車を撃破したのです。
【 模型要目 】 大戦初期のフランス戦線でドイツ軍に最も恐れられたといわれるB1 bis戦車の1/35スケール、プラスチックモデル組立てキットです。 全長192mm、背の高いシルエットや車体右前面の短砲身75mm榴弾砲、懸架装置をカバーする側面装甲など、個性あふれる姿を実感豊かにモデル化。 車体本体パーツはスライド金型を使用して各所のリベット模様も立体感たっぷり。 独特なデザインのキャタピラは、はめ込みによる連結組立て式で実感の高い仕上がり。パーツは切離し済みで組立ても手軽です。キャタピラ側面のディテールも精密に再現。 コマンダー用ペリスコープは旋回可能。ドライバー用も角度限定で旋回できます。 フェンダーとマフラーはマーキングに合わせて2種類を用意。 金属製の牽引用チェーン、砲塔後部ハッチに乗り込むコマンダーの人形1体付き。 マーキング4種類、フランス戦車特有の複雑な迷彩塗装を載せたカラー塗装図も付属。 塗装図の裏面にはB1 bis戦車の奮戦を伝える読みごたえたっぷりの戦闘記録を掲載。 【 ストンヌ B1 bis戦車奮戦す! 】 1940年5月15日、ドイツ軍がフランスへ侵攻して5日目。ここはフランス北東部、セダン南のストンヌ村の丘。そこにグロースドイチュラント連隊麾下、第14対戦車中隊長のベック・ブロイヒジッター中尉がいた。それに第16突撃砲中隊長の男爵フォン・エグロフシュタイン中尉も。彼らはフランス第3装甲師団のB1 bis戦車の猛攻撃に曝されていた。ブロイヒジッター中尉は、当時をこう回想する。 「・・・どこが敵味方の前線かはっきりしなかった。砲火が前後左右から飛んできた。ほとんどが銃火だった。私は村道に沿って進んだ。擲弾兵たちがばらばらになって走っていた。命令はなかった。1台の撃破されたドイツ戦車が側溝で擱座し、その背後に戦車長の士官と下士官がピストルを構えていた。顔は青ざめ戦車兵の黒服は埃にまみれていた。フランス軍の銃火は給水塔からばらまかれ、道路上で弾けていた。1台のフランス戦車が向かってきた。敵戦車の攻撃だ。さらに歩兵を伴った6台の大型B1 bis戦車を確認した。直ちに37mm対戦車砲が戦闘配置につく。瞬時に指揮官は目標を指示。そして「ドン」と発砲。だが、敵戦車は止まらない。無傷だ! ・・・・・・・・→ この続きはキット付属の戦闘記録にて!
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